スポラノックス
スポラノックスは、イトラコナゾールを主成分とする真菌を殺菌する抗真菌剤で、真菌が原因で発症する病気の治療に使われています。
真菌とは、カビのことで、丸い形状で増殖するタイプと、細長い糸状で増殖するタイプ、ライフサイクルの中で両方の形態を取るタイプがあります。
真菌が引き起こす感染症には、水虫、爪白癬、体部白癬、股部白癬、頭部白癬など、白癬菌が原因となる感染症、カンジダやクリプトコックス、アスペルギルスなどの真菌が、臓器に増殖して発症する内臓真菌症、ガンジダが原因で発症する口腔カンジダ症、皮膚カンジダ症、爪カンジダ症、カンジダ性爪囲爪炎、カンジダ性毛瘡、慢性皮膚粘膜カンジダ症などのガンジダ症といったものがあります。
真菌の中には、カンジダなど体内に常駐している真菌もあり、健康な時には、感染症を引き起こしませんが、抵抗力が弱ってくると感染症を引き起こします。
スポラノックスの有効成分であるイトラコナゾールは、強い抗真菌活性と幅広い抗真菌スペクトルがあるトリアゾール系の抗真菌薬で、白癬菌、カンジダなどの真菌を死滅させる働きをします。
トリアゾール系の抗真菌薬は、体内で酸化しにくいこと、脂溶性であることから、長時間体内に留まり、効果が長く続くという特徴があります。
内服薬なので、外用薬では届かない呼吸器真菌症、消化器真菌症、尿路真菌症などの内臓真菌症や、爪の中でおこった感染症などの治療にも有効です。
用法・用量
内臓真菌症(深在性真菌症):1日1回100〜200mgを食後直ぐに服用します。
深在性皮膚真菌症:1日1回100〜200mgを食後直ぐに服用します。
爪白癬以外の表在性皮膚真菌症:1日1回100〜200mgを食後直ぐに服用します。
爪カンジダ症、カンジダ性爪囲爪炎:1日1回100を食後直ぐに服用します。
爪白癬(パルス療法):1日2回1回200mgを食後直ぐに1週間継続して服用し、その後3週間休薬します。これを1サイクルとして3サイクル繰り返します。
用法、用量、継続期間は、年齢、症状の度合いによって変わりますので、医師に指示に従って服用してください。
使用上の注意
空腹時に服用すると十分に体内に吸収されないので、食後すぐに服用してください。
症状が治まった時点で服用を中止すると再発します。医師に指示された服用継続期間中は服用を続けてください。
妊娠中、授乳中の人は胎児、乳児に悪影響があるので服用できません。
副作用
胃の不快感、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発疹、かゆみ、肝機能低下