グルコバイ
グルコバイは、アカルボースを主成分とするαグリコシターゼ阻害剤で、糖尿病の治療に使われている医薬品です。
主成分であるアカルボースには、食物から摂取した砂糖や炭水化物をブドウ糖に分解して、小腸の粘膜からブドウ糖を吸収しやすくするαグルコシダーゼという酵素の働きを阻害して、ブドウ糖が分解される速度を緩慢にするという働きがあるので、ブドウ糖がゆっくりと体に吸収されるようになり、食後に血糖値が過剰に上昇することを抑える効果があります。
他の血糖降下薬と違うところは、インスリンの分泌を刺激する作用がないということです。
血糖降下薬には、インスリンの分泌を促すスルホニル尿素薬、インスリンンの効き目が悪い状態を引き起こしている物質を減少させる働きをするインスリン抵抗性改善薬、肝臓で糖が作られること阻害するビグアナイド薬がありますが、αグリコシターゼ阻害剤は、それらの血糖降下薬では十分な効果が得られなかった場合に、それらの血糖降下薬と併用して処方される薬です。
また、空腹時血糖値が高くなく、食後高血糖がみられる軽症の2型糖尿病の治療に使われる場合もあります。
どちらの場合も、食事療法と運動療法が的確におこなわれていることが前提で、処方されます。
用法・用量
・1回2錠(100mg)を1日3回、食時の直前に服用します。食事前に服用を忘れてしまった場合は、食事中に服用してください。
・開始時は1錠、様子を見て医師の判断により増量されます。
・服薬初期に腹部の張り、おなら、下痢など、消化器の不快な症状が現れやすくなりますが、服用を継続するうちに、腸内にとどまっていた炭水化物が腸内細菌によって分解され、有機酸が生成される時期をこえると解消する症状です。
・用法、用量は症状、他に服用している血糖降下薬によって変わりますので、医師の指示に従って服用してください。
使用上の注意
・α-グルコシダーゼ阻害薬だけを服用している場合には、ほとんど起こりませんが、インスリンの分泌に関係する血糖降下薬と併用して服用している場合は、低血糖をおこす恐れがあります。
・重症ケトーシス、糖尿病性昏睡、重症感染症、妊娠中の人は、この薬を服用することはできません。
・高齢者、消化管の手術をしたことのある人、肝機能が低下している人は、腸閉塞などの重篤な症状を引き起こす恐れがありますので、厳重に医師に指示を守って服用してください。
・食事療法、運動療法は継続してください。